「由比のお太鼓祭」

　由比のお太鼓祭は、威勢よく太鼓をたたき地域を練り歩く漁師町ならではの荒々しい祭である。青年が祭りの中心で、保存会と若手伝承者で組織する「豊積会（とよづみかい）が行事を継承している。元旦の朝、豊積（とよづみ）神社で氏子総代、自治会役員、保存会、豊積会等が集まり歳旦祭、お太鼓祭式典が行われる。主祭神をお太鼓に立てたご幣にお移しし、お太鼓の奉納が行われ式典を終える。午後には「渡り初め儀」のあと、神主、社名旗、氏子総代、お太鼓、音頭取り他のメンバーでお太鼓が町内巡行へと出発する。途中で、新築や結婚、出産など祝い事のあった家に、「入れ太鼓」と称して屋内に入り、その家を寿ぐ唄と共にお太鼓を披露する。
２日目には、小学生達によるお太鼓の町内巡行が行われる。祭の最後は、太鼓の担ぎ手が褌一枚の若者に代わり、この祭り一番のクライマックスである「送り太鼓」が始まる。境内の井戸の水をお太鼓に向かって浴びせかけ、激しく太鼓を打ち鳴らす勇壮なものであり、やがて太鼓を清め拝殿内に納め祭は終了する。

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