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おたおうぎまつり

御田扇(おたおうぎ)祭り

愛知 / 豊田市 ( とよたし ) 関連分類: 祭り

御田扇祭りは、旧岡崎藩領で行われた祭礼である。
 江戸時代、岡崎藩は、領内を手永(てなが)と呼ばれる6地区に分けていた。 田植えが終わると、伊勢神宮から請けてきた扇(田扇)を神輿に納め、手永内で神輿を順に廻すことで、地区内の稲を虫害から守り、五穀豊穣を祈ったといわれている。
 領内を神輿が廻る時には、作付けを検分する岡﨑藩の役人も一緒に廻ったといい、藩主の支配体制と虫送り的な祭礼が結びついたものといえる。
 南部の一部が旧岡崎藩領であった豊田市において、御田扇祭りが残っているのは、畝部西町(うねべにしまち)の阿弥陀堂(あみだどう)地区1か所のみとなっている。 阿弥陀堂地区は、上野(長瀬)手永に属する地区であり、昭和30年代頃までは、祭礼で手永内の23か村を神輿が渡御したといわれている。
 現在は、6月第4日曜日に、阿弥陀堂地区にある西神明社で祭事が開催される。 祭礼当日は、午前中に上野手永に属していた各地区の代表者が神社に集まり、全体の神事を行い、午後、地区の人々が集まり、地区内のみ神輿の巡行を行う。 旧岡崎藩領であった、岡崎市・西尾市・幸田市の一部にも同様の祭礼が残っており、その関連性も含めて、江戸時代の岡崎藩支配の名残を留める貴重な祭礼である。



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