第11回 地域伝統芸能まつり テーマ「荒ぶる(すさぶる)」
日本各地で脈々と受け継がれている地域伝統芸能や古典芸能を紹介している「地域伝統芸能まつり」の第11回目を、2月26日(土)、27日(日)の両日で開催させていただきました。
たくさんの方からのご応募、ご来場誠にありがとうございました。
11回目を迎える今年は「荒ぶる(すさぶる)」をテーマに、全国から11の勇壮な地域伝統芸能と4つの古典芸能が集い、実演と同時にその歴史や地域性などもご紹介しました。
第1日 2月26日(土)
・芸北神楽 有田神楽団・有田子ども神楽団(広島県北広島町)
・新城の囃子曲持 新城郷土芸能囃子曲持保存会(神奈川県川崎市)
・根岬梯子虎舞 根岬梯子虎舞組(岩手県陸前高田市)
・狂言「萩大名」(大蔵流) 茂山千五郎 ほか
・能「紅葉狩 鬼揃」(観世流)短縮版 梅若玄祥 ほか
・牛深ハイヤ踊り 牛深ハイヤ保存会(熊本県天草市)
・表佐太鼓踊り 表佐太鼓踊り保存会(岐阜県垂井町)
新城の囃子曲持 |
牛深ハイヤ踊り |
表佐太鼓踊り |
第2日 2月27日(日)
・朝倉の梯子獅子 朝倉梯子獅子保存会(愛知県知多市)
・下平井の鳳凰の舞 鳳凰の舞保存会(東京都日の出町)
・日和山神社鬼獅子 日和山神社芸能保存会(長野県中野市)
・根子番楽 根子番楽保存会(秋田県北秋田市)
・伊勢大神楽 伊勢大神楽講社 山本源太夫組(三重県桑名市)
・狂言「六地蔵」(大蔵流) 山本東次郎 ほか
・半能「石橋 大獅子」(観世流) 観世清和・三郎太 ほか
・弥五郎どん祭り 弥五郎どん保存会(鹿児島県曽於市)
・フィナーレ
朝倉の梯子獅子 |
下平井の鳳凰の舞 |
根子番楽 |
伊勢大神楽 |
2日間のオープニングを飾ったのは、広島県北広島町からの登場となる「芸北神楽」です。広島県は"神楽の宝庫"と言われ、芸北地方だけで神楽を伝承している団体は200余りもあるそうです。そんな中から、有田子ども神楽団の子どもたちによる「悪狐退治」と有田神楽団による「八岐大蛇」のダイナミックで幻想的な迫力ある舞台が披露されました。
出演後のインタビューでは、子どもたちが普段の練習について、どの子も「楽しい」と笑顔でコメントするなど、伝統が次世代に受け継がれていく一端を見た思いがしました。
また、岩手県陸前高田市からは、長さ20m、45°にたてかけられた梯子の上で虎が舞う「根岬梯子虎舞」が登場しました。今回はホールの都合上8mの練習用の梯子を使用しましたが、舞台の上限いっぱいの高さでの迫真の演技に、誰もが手に汗握るハラハラドキドキの連続で会場からは何度も拍手が沸き起こりました。
2日目は、長野県中野市から「日和山神社の鬼獅子」が出演しました。この「地域伝統芸能まつり」では全国各地の獅子舞を数多くご紹介してきましたが、この「日和山神社の鬼獅子」は獅子と鬼が競演するという大変珍しい演目です。静かに堂々と舞う獅子と身体を赤や黒で塗りたくり大声をあげたりとび跳ねたりする鬼との、対象的な両者の対決を熱演し、観客を魅了しました。
地域伝統芸能まつりのもうひとつの柱が古典芸能です。今回は、狂言「萩大名」、能「紅葉狩 鬼揃」、狂言「六地蔵」、半能「石橋 大獅子」の4つが演じられました。狂言のおもしろさと壮麗な能の世界を堪能できました。
2日間の大トリを飾ったのは、鹿児島県曽於市の「弥五郎どん祭り」です。勇壮な大隅弥五郎太鼓の演奏に続いて、いよいよ弥五郎どんの登場と思いきや、子どもたちに引かれて登場した小さな弥五郎どんの姿に思わず笑みがこぼれます。その後、太鼓と鐘のリズム、会場からの手拍子に乗って登場した一丈6尺(4.85m)の大きな弥五郎どんの堂々とした姿が会場を圧倒。まつりの本番さながらの熱気に包まれる中、全ての出演団体が舞台上に再登場し、この日に披露されたすばらしい芸能とそれを保存・継承してこられた保存会の方々への敬意と今後への期待が合い交じった盛大な拍手が会場から惜しみなく送られ、感動のフィナーレとなりました。
地域情報PRコーナー
ホール2階の客席ロビーには、出演団体の地元物産展として、岩手県陸前高田市(26日のみ)、秋田県北秋田市、長野県中野市、愛知県知多市、熊本県天草市(26日のみ)、鹿児島県曽於市の6団体が出展しました。また、その他の出演団体の地元観光文化パンフレット等を自由にお持ち帰りいただける地域情報コーナーも設けました。どのブースにもたくさんの方にご利用いただき、地域情報に対する注目度の高さがうかがえました。
当日のアンケートに寄せられたご意見
・各地に受け継がれている伝統芸能に打ち込む熱気を強く感じました。
・特に若い人達が楽しみながら一生懸命演じている姿は頼もしい限りです。
・テレビで味わえない迫力を生で感じられて感動的でした。
・各地域の伝統芸能が観られて、実際に現地にいってみたいと感じました。
・伝統芸能の素晴らしさを肌で感じることができる、とても良い企画だと思いました。
・伝統を守り続ける苦労を乗り越えての、迫力ある演目の数々に感動しました。
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