狂言「舟渡聟」(和泉流) [2/25上演]
舅と婿の縁を描いた演目です。婿が初めて舅の家に挨拶に行く途中、大津松本から船に乗ります。ところが酒好きの船頭が婿の持つ酒樽に目をつけ、船を揺らすなどして強引に酒を飲んでしまいます。婿は軽くなった酒樽を持って舅の家に出向きます。やがて外出していた舅が帰宅しますが、舅は婿の顔を見てびっくり仰天します。舅こそが先ほどの船の船頭だったのです。姑にいきさつを知られ、船頭は最後に大髭を剃られてしまいます。和泉流では舅と船頭の二役で行います。
[出演]野村万作 ほか
半能「融」(観世流) [2/26上演]
室町時代、能の大成者である世阿弥の名作です。旅僧が六条河原院の旧跡にやってくると、一人の老翁が汐汲み姿で現れ、ここは源融の旧跡であると説明します。今回はこの後、能の後半で、僧の供養に源融の幽霊が現れ、夜遊の宴を懐かしみ、優雅な舞を舞う場面を上演します。源融は嵯峨天皇の皇子で、六条河原に壮大な邸宅を構え、陸奥塩釜の浦をうつして、海士が塩を採るために焚く藻塩の煙をたたせて、その風情を楽しみ河原左大臣と呼ばれました。能の最後の詞章が「名残惜しの面影」であることから故人を懐かしむ追善の催し等でも上演されます。
[出演]梅若玄祥 ほか
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