はつもりのさんびきしし
初森の三匹獅子
福島 / 二本松市 ( にほんまつし ) 関連分類: 祭り 芸能
初森地区には、小浜長折の三匹獅子舞や杉沢の獅子舞と同様に、ささら(ささら竹)持ち2人と3人の獅子による獅子舞が伝えられている。これを地元では一般に、初森字鶴根にある鎮守諏訪神社の祭礼に奉納するところから「お諏訪さまの三匹獅子」といっている。祭日は新暦11月3日で、この日には初森字一盃館にある羽山神社の祭りも執り行われる。獅子の一行は、午前10時ころに宿本を出発し、同11時ころからまずは羽山神社で、続いて午後1時ころから夕方にかけて、諏訪神社で行われる。ことに諏訪神社では、初めに子どもによる奉納舞があり、そのあと青年による手伝い獅子がある。獅子頭は張り子の黒漆塗りで、太郎と次郎の両獅子には長い山鳥の羽を2本立ててある。獅子が腰につける太鼓は小太鼓といい、檜の桶胴である。囃子方の大太鼓は現在、鋲留太鼓を用いているが、古くは締太鼓を用いた。笛は6孔の篠笛である。ささら竹は長さ260cmの丸竹で、先端には五色の幣束を差し、上部にはササラ数十本を差す。ササラは細い割り竹に色紙をつけたもので、祭りの終了後にはお札とともに氏子の各家に配る。各家では五穀豊穣と家内安全のお守りとして、神棚に供えておく。宿本を出発した一行が舞庭に入ると、2本のささら竹の間に3人の獅子が入り、舞込み・庭ならし・宿入れ・そぞろき・花吸い・庭まわり・喰いころばし・庭ならし・庭出し、の順に舞い、岡獅子はおどけた仕種で、それとなく獅子を導く。地元の伝承によると、諏訪神社は寛政年間(1789~1801)に勧請した社で、獅子舞はそれより遅れて文化年間(1804~1818)に下長折の宮久保地区から習い受けたと伝えている。下長折の諏訪神社では現在も春祭りに、滝洞、東方、中洞の3組の獅子舞が行われているが、宮久保地区を含む東方の獅子舞と比較すると、種目やその所作がよく似ている。
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