北萱浜の神楽と天狗舞

　北萱浜には神楽と剣舞、それに｢天狗舞｣の３種が伝承されています。神楽は正月元旦と稲荷神社の祭礼（旧暦の２月初午・４月２４日・９月１日）に行われています。天狗舞は２月初午の稲荷神社祭礼などに、神楽とともに舞われています。神楽の幕舞、幣束舞、鈴舞は、いずれも四方を巡りながら各角で中央に進んでは戻るもので、旧中村藩内だけでなく、県内でも珍しいので、伝来経路が異なるように考えられています。｢剣舞｣は大蛇舞の｢太刀｣の所作があるが、これをもとに北萱浜なりに取り入れられた可能性が考えられています。天狗舞は、新潟県の｢獅子舞｣と類似したところがあります。また、当地には越後（新潟県）・越中（富山県）・加賀（石川県）から移住したとか、嘉永元年（１８４８）に越後から５０戸が入植した折に伝えられ、悪疫退散のために行ったなどの伝承があります。平成７年、市指定無形民俗文化財。

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