出演地域伝統芸能


御陣乗太鼓大國魂神社の大和舞唐桑の大漁唄込継ぎ獅子秩父屋台囃子府招の浮立黒石ねぷた祭り

御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ) [石川県・輪島市]

天正4(1576)年、越後の上杉謙信は七尾城を攻略。その余勢をかって奥能登に駒を進め、翌年、破竹の勢いで名舟村へ押し寄せてきました。武器らしいものがない村の人達は、村の古老の指図に従い、樹の皮をもって仮面を作り、海草を頭髪とし、太鼓を打ちならしつつ上杉勢に逆襲、戦いを勝利に導いたといわれています。はじめはゆっくり、次にやや早く、最後はもっとも早く、序・破・急の三段で打ち、面に応じた芸や見得を切る勇壮な姿。面に応じ、個性を生かした芸を入れるのが御陣乗太鼓の見どころであり、聞きどころです。

大國魂神社の大和舞(おおくにたまじんじゃのやまとまい) [福島県・いわき市]

いわき市平菅波の延喜式内大國魂神社に伝わる出雲流神楽で、一般には「大和舞」と呼ばれています。その伝来は明らかではありませんが、江戸時代中期、享保年間にはすでにこの地で演じられていたといわれます。昭和27(1952)年以後、一時中断しますが、昭和59(1984)年秋に再興の話が起こり、翌60(1985)年5月4日、30数年ぶりで奉納され、復活しました。舞は、「三番叟」「三本剣」「猿田彦舞」「恵比寿舞」「大黒舞」「天の岩戸舞」「天宇受売(あめのうずめ)」の7座が今に伝えられており、いわきで最も古い歴史を持つ芸能とされています。

唐桑の大漁唄込(からくわのたいりょううたいこみ) [宮城県・気仙沼市]


「大漁唄込」は、唐桑の海に生きる人々が暮らしの節目に唄い継いできた祝い歌で、300年を超える歴史があるといわれています。通信手段のない時代に、入港の際あるいはその直前から唄い始め、陸で待つ家族の元へ大漁の喜びをいち早く知らせ、水揚げ支度を促す伝達手段も果たしたといわれます。鮪立・崎浜の両保存会が伝承してきましたが、東日本大震災の津波により鮪立大漁唄込保存会の大漁看絆の多くを流失。一時は活動を中止していましたが、平成24年12月8日、鮪立・崎浜大漁唄込保存会による「大漁唄込み復活祭」をきっかけに活動を再開しました。

継ぎ獅子(つぎじし) [愛媛県・今治市]

今治市の各地に伝承される「継ぎ獅子」は、一説では伊勢神宮に伝わる「代々神楽」の流れを汲み、江戸時代後期に今治市鳥生に伝えられたのがはじまりで、後に近隣各地へ広がったと伝えられています。伊勢では二継ぎであった継ぎ獅子は、当地方では神様に少しでも近づくために、また稲が天まで伸びるほどの五穀豊穣を祈願するために高く継がれ、現在の四段・五段の形式となりました。時に危険を伴い、何よりもチームワークが大切な継ぎ獅子は、氏子の心を一つにして氏神様を奉らんとするもので、このような高さは全国的に見ても貴重な芸能となっています。

秩父屋台囃子(ちちぶやたいばやし) [埼玉県・秩父市]

毎年12月3日を中心に行われる「秩父夜祭」として知られる秩父神社の例大祭において奉曳される豪華絢爛な笠鉾・屋台の内部において演奏されるお囃子です。この祭りは、江戸時代の寛文年間(1661~72年)にはすでに行われていた記録があり、江戸時代の絹大市の最終を飾る一大行事として発展しました。囃子は大太鼓1、数個の小太鼓、鉦と笛で構成され、屋台が動く際には大太鼓を中心に渾身の力を振りしぼって打ち鳴らし、また街角を廻る際には小太鼓のみによる巧みで小刻みな叩き方をする <玉入れ> という特殊な打法を用いて屋台を導いていきます。

府招の浮立(ふまねきのふりゅう) [佐賀県・伊万里市]

九州北部には浮立と称される風流系の芸能が各地に伝承されていますが、佐賀県伊万里市の府招の浮立は、踊りを中心とした華麗なもので舞浮立の代表的なものです。由来や来歴は明らかではありませんが、府招の浮立で使用する鉦に文政5(1822)年や嘉永6(1853)年の銘があり、江戸時代からの伝承がうかがわれます。現在は毎年10月第2日曜日に、秋の収穫時の豊年感謝の意を込めて愛宕権現社の秋祭りにおいて奉納されていますが、当地に伝わる記録では、かつては雨乞・晴天祈願、疫病退散などのために必要に応じて随時演じられていたとされています。

黒石ねぷた祭り(くろいしねぷたまつり) [青森県・黒石市]

黒石ねぷた祭りは、江戸時代中期に書かれた「分銅組若者日記」によると、すでに 250年以上前から行われており、人形ねぷたと扇ねぷたの両方が共存してきました。人形ねぷたは、五段で構成される美しい高欄が特徴で、繊細かつ色彩も鮮やか、華麗で勇壮な造形美を誇ります。扇ねぷたは、鮮やかな色彩で精巧に描きこまれ見送り袖絵も独特な構図をもちます。お囃子は、「進め」「止まれ」「戻り」を笛・太鼓・鉦で奏で、掛け声も「やーれやーれや」と黒石独自です。次世代を担う子供たちへ伝統文化の継承と健全育成のため、囃子の演奏や綱を引くのも子供たちが中心です。

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