当日の様子
「第16回地域伝統芸能まつり」 テーマ:和(わ)
日本各地で脈々と受け継がれている地域伝統芸能や古典芸能が一堂に会する「地域伝統芸能まつり」が、2月28日(日)にNHKホールで開催されました。今年は「和(わ)」をテーマに、日本各地の地域伝統芸能7演目と古典芸能1演目が披露され、2,000人以上の観客を魅了しました。
オープニングでは、この日の全出場者約200人が、テーマ曲「曼陀羅21」にあわせて元気よくステージに登場。たくさんの観客を前に士気を高めました。
最初の演目は、石川県輪島市の「御陣乗太鼓」。荒波の日本海を模した舞台に、夜叉や幽霊などの面をつけた保存会6人が次々に繰り出し、面に応じた太鼓打ちを披露。ダイナミックな太鼓の大乱打がホールいっぱいに響き渡り、迫力ある幕開けとなりました。
続いて、福島県いわき市の「大國魂神社の大和舞」。当神社に伝わる出雲流神楽で、今回は現在伝承されている7座から「猿田彦舞」と「恵比寿舞」を披露。にぎやかな笛と太鼓にあわせて、恵比寿や道化師の面をつけた舞手が大和舞を披露しました。
宮城県気仙沼市の「唐桑の大漁唄込」は、300年以上の歴史ある祝い唄。東日本大震災後に存続の危機にみまわれたものの、「震災復興応援歌」として再出発。今回は2つの保存会の40人が色鮮やかな「大漁肴袢」を身にまとい、海の男の勇ましい歌声を響かせました。
愛媛県今治市からは「継ぎ獅子」が登場。今治城のセットを背景に、三継ぎ、四継ぎ、そしてホール天井に届くほどの高さの五継ぎができあがっていく様子に、客席からは何度も歓声が上がり、会場がひとつとなって出演者を応援しました。
ここで本フェスティバルのもうひとつの柱である古典芸能として、宝生和英他による半能「草紙洗」(宝生流)が披露されました。にぎやかな地域芸能から一転、ステージには能舞台が組まれ、厳かな雰囲気の中、優雅なひとときに観客は魅了されました。
引き続き地域伝統芸能の埼玉県秩父市の「秩父屋台囃子」が登場。日本三大曳山祭のひとつである秩父夜祭でのお囃子を、今回は6つの町会から子供と大人の2つの選抜チームが演奏。夕焼けから夜景へ変わる情景の中で、軽快なリズムが会場を盛り上げました。
続く佐賀県伊万里市の「府招の浮立」は、踊りを主とした踊浮立の代表的なもの。地区の全115世帯が保存会会員として子供のときから練習に励んでおり、色とりどりの華麗な衣装を身に着けた舞手が、舞いながら大太鼓を打つ2演目を披露しました。
トリを飾ったのは、青森県黒石市「黒石ねぷた祭り」。青森から運ばれた「扇ねぷた」と「人形ねぷた」がステージいっぱいに交差し、子供たちを含む75人が黒石独自のお囃子を演奏。華麗で勇壮な造形美を誇るねぷたと、笛・太鼓や掛け声の響きに、会場は大いに盛り上がりました。
会場の興奮が冷めやらぬ中、フィナーレには全出場者が再登場。客席からは、各地域芸能を保存・継承してこられた方々への敬意、そして今後への期待を込めた盛大な拍手が惜しみなく送られ、今回のテーマ「和 ~踊り、祈り、癒し、和む~」にふさわしい、まさに日本各地の人々が調和し、「和の心」を胸に刻む、和やかな時間となりました。
地域情報PRコーナー
ホール2階の客席ロビーには「地域情報PRコーナー」を設置し、各出演団体の地元地域のパンフレットの配布や自慢の特産品、グッズの販売を行いました。
今回は、7ブース(青森県黒石市、宮城県・気仙沼市(共同出展)、福島県いわき市、埼玉県、石川県輪島市、愛媛県今治市、佐賀県)が出展、たくさんの方に出演地域への理解を深めていただきました。
当日アンケートに寄せられたご感想
・1日で色々な芸能が見られてとてもよかったです。
・生で見るまつりは迫力がありました。
・ハラハラ、ドキドキ、すばらしいの一言。
・郷土を愛する気持ちがよく伝わってきました。感動しました。
・伝統のまつりを支える地域愛、誇り、祈りに胸が熱くなりました。
・伝統芸能は郷土の誇りです。いつまでも保存していきたいです。
・日本はすてきな国だと思いました。各地に行ってみたくなりました。
・こども達の活躍がすばらしく、その芸を伝えた人々の情熱が伝わってきました。
・元気をもらいました。地域を盛り上げていきたいと思いました。
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