1.フェスティバルの目的
このフェスティバルは、全国を代表する地域伝統芸能、古典芸能が一堂に会して実演を披露することにより、地域伝統芸能等についての国民の理解を深め、地域伝統芸能等の保存活用、及びそのことを通じた地域の活性化に関する国民的機運を盛り上げることを目的とするものです。
2.フェスティバルの経緯
「21世紀に向けて、日本の伝統文化や日本的価値を見つめ直し、日本人のアイデンティティーを改めて見直すとともに、地域住民が郷土を愛し、郷土に誇りと親しみを持って地域づくりに取り組む機運を盛り上げる必要がある。」との問題意識のもと、平成10年度に「歴史的遺産・伝統文化の活用による地域おこし懇談会」(梅原猛座長)が設置されました。
この懇談会では、歴史的遺産等の活用による地域おこしの意義や、その推進のための具体的プログラムについて提言がなされましたが、この提言の中で、全国的な機運の高まりに結びつけていくためのフェスティバルの開催が提案されたことを受けて、平成12年度から「地域伝統芸能まつり」を実施することとなったものです。
過去9回のフェスティバルは、それぞれテーマを「怨霊」、「恋(こひ)」、「天地(あめつち)」、「変化(へんげ)」、「福(ふく)」、「遊(あそび)」、「もののあはれ」、「翁と童(おきなとわらべ)」、「祈り」 とし、いずれも5000人前後の観客(2日間の合計)を集め NHKホールにて熱演が繰り広げられました。
入場無料のフェスティバルですが、観覧希望が多数のため抽選で入場整理券を発行しており、昨年度の倍率は2.5倍を超えるものとなりました。
- 地域伝統芸能まつり実行委員会委員による解説を交えながら、11の地域伝統芸能及びテーマに所縁の深い古典芸能4演目を上演します。(後日 NHKで放映予定)
- 北は北海道の「芦別獅子」(芦別市)から、南は長崎県の「長崎くんち 龍踊」まで全国各地から11の地域伝統芸能が出演します。
- 今回が初めての出演となる山梨県からは、 噴火を沈めた祭神のご苦労をお慰めするために始めたとされている「河口浅間神社の稚児舞」(富士河口湖町) 、また、これまで映像紹介のみで事実上の初登場となる福井県からは五穀豊穣を祈願する神事「表児の米」(坂井市)が登場します。
- 古典芸能では、 沖縄に古くから伝わる歌舞劇・組踊の中から、今回は名作『二童敵討』を上演します。その他、 梅若玄祥ほかによる能『菊慈童 遊舞之楽』 、山本東次郎ほかによる狂言『楽阿弥』、野村小三郎ほかによる『柑子俵』が登場します。
- 地域伝統芸能等と古典芸能の関係や相互の継承・発展の状況等について知ってもらうため、地域伝統芸能等と能・狂言等の古典芸能が同じ舞台で競演することにより、古典芸能が現代に生きていることを伝えるなど、他に例を見ない、日本文化の深みに入り込むものとなっています。
- 暮らしの中で地域伝統芸能等を守るため懸命に努力している人々の姿や、その活動を通じて地域の人々が助け合っている様子をお伝えします。
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