狂言「柑子俵(こうじだわら)」(和泉流) [2/27上演]
友人の柑子売りに売る筈だった柑子を、別の業者に売ってしまった亭主が困っていると、太郎冠者(子方)が柑子の代わりに自分が俵の中に入って、後で逃げてきますと提案します。太郎冠者が入った柑子の俵を、何も知らずに背負って帰る柑子売りですが、俵の中からなにやら不気味な声が聞こえてくるではありませんか。俵の中に入り、演技のできる子方(子供)がいないと上演できない珍しい狂言で、名古屋在住の野村小三郎と野村信朗の親子、ほかの出演でおおくりします。
[出演]野村小三郎ほか
能「菊慈童(きくじどう) 遊舞之楽」(観世流) [2/27上演]
薬の水が流れているという山奥で、調べにきた臣下は、なんと700年もの間同じ姿で生きている少年と出会います。少年は昔、周の穆王の枕をまたいだことで山に捨てられた時、経文を書いた枕を王より賜り、菊の葉に経の文句を書いておくと、その滴が不老不死の妙薬となったことを語ります。少年は舞を舞い、不老不死の妙薬を捧げ山の中に帰っていきます。満開の菊薫る中、幻想的な世界が広がります。梅若玄祥(六郎改め)ほかの出演でおおくりします。
[出演]梅若玄祥ほか
狂言「楽阿弥(らくあみ)」(大蔵流) [2/28上演]
坂東方の僧が伊勢大神宮に参詣する途中、別方の松原で尺八が下がった不思議な松の木に出会います。所の者にいわれを聞くと、楽阿弥という下手な尺八吹きが、尺八を吹きすぎて吹き死にしたという供養のしるしとわかります。夜もすがら尺八を吹き弔う僧の前に楽阿弥の亡霊が現れ、吹き死にした有様を語り舞います。能の様な珍しい狂言で、楽阿弥の亡霊を山本東次郎、ほかの出演でおおくりします。
[出演]山本東次郎ほか
組踊「二童敵討(にどうてきうち)」[2/28上演]
組踊は沖縄に古くから伝わる伝統芸能で、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される歌舞劇です。首里王府が中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために、1719年「玉城朝薫」により創作、初演されました。以降、地方の村や離島などへ伝わり、次第に庶民にも広まっていきました。組踊には、琉歌や故事などの文学や歴史的要素も多分に盛り込まれており、沖縄の伝統芸能の精髄とも言われています。今回は、組踊の名作『二童敵討』の後半部分を上演いたします。出演は「子の会」の皆さん。
[出演]子の会
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