一般社団法人 地域創造

第33号 つながる力~プラットフォームを考える(2012年度3月発行)

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特集 つながる力~プラットフォームを考える

文化施設がその存在価値を発揮するためには、地域のなかでの連携は最重要課題だ。
ひとつの組織ではなし得ない事業も、複数の組織の協働で可能になる。
地域のプラットフォームになっている文化施設を取材し、「つながる力」について考える。

空間のエスプリ

体験レッスン

座談会

SCOPE

イラストSCOPE

海外STUDY

特 集 つながる力~プラットフォームを考える

1 神奈川県相模原市│アートラボはしもと
国内最大の美大生タウンが挑むアートによるまちの活性化

文:田中健夫

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© 雨田 芳明

「「柳川さんから『アートと社会の接点にして、学生のエネルギーを引き込む場にしたい』という話があったとき、スーッと引き付けられるように各大学が集まりました。」(抜粋)

2 宮城県仙台市│せんだい演劇工房10-BOX
演劇のための拠点から広がる民俗芸能、福祉、被災地支援、まちづくり

文:奈良部和美

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© 大河内 禎

「10周年記念でなぜ能なんだという意見もあるけれど、演劇も含めて僕らが今やっていることは、先人の伝統の上にある。演劇を振興していく僕らには、現代と伝統の両方に出合う機会を提供する役割があると思います。」(抜粋)

3 広島県福山市│鞆の津ミュージアム
日常とつながり、地域の人々を巻き込んで、新たな"生の芸術"が生まれる

文:山下里加

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© 雨田芳明

「これが、僕がつくりたかった風景です。普段は美術館なんか行かないような人たちを巻き込みたかった。僕らの身の周りには、"アート"とは認められていなくても、とても魅力的な表現が存在しています。」(抜粋)

4 神奈川県横浜市│STスポット横浜/横浜市芸術文化教育プラットフォーム
若いアーティストを支え続けて25年小さなアートセンターの求心力

文:土屋典子

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© 大河内 禎

「場所というのは、誰が使ってくれるか、そしてそこにどんなスタッフがいるかで変わってくる。ここに来れば話のできるスタッフが常にいる、という安心感と信頼が、プラットフォームには必要なのだと思います。」(抜粋)

空間のエスプリ

別府現代芸術フェスティバル2012
「混浴温泉世界」

文:田中健夫

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© 大河内 禎

「僕たちがやりたいことは3つ。アートというフィルターを通して別府の素晴らしさを発信していくこと。アート活動を市民に対して開いていくこと。そして、市民の活動体として全国の地域のモデルとなり、新たな市民社会の創出に貢献することです。」(抜粋)

体験レッスン

豊島区文化デザイン課に創造都市政策を学ぶ

構成:土屋典子

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© 大河内 禎

「行政の力だけでは出来ない施策を、NPOをはじめ、さまざまな主体と連携して行っていくなかで、その人たちが目的をもって実施しようとすることを、どうすれば実施させることができるか。それを考えていくのが文化デザイン課の仕事ですし、そのためには柔軟な発想や多様なとらえ方が必要になります。」(抜粋)

座談会

小さな美術館の冒険

進行:坪池栄子 構成:山下里加

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© 大河内 禎

全国美術館会議の中でも小規模館研究部会が立ち上がるなど、小規模美術館の活動が見直されています。
人手も予算もないからこそできる、大胆な発想や工夫で事業を展開している小規模美術館の担当者にお集まりいただき、冒険譚を語り合っていただきました。

SCOPE

秋田県秋田市 あきたアートプロジェクト
地方都市の閉塞感を打ち破るアートの可能性

文:田中健夫

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© 大河内 禎

「アーティストの自由な発想や創造性は、さまざまなものを組み合わせ、錬金術のように新たなものを生み出していく。そのために、地元のアーティストのネットワークを構築したり、発掘していくことはすごく大事なことだと思っています。」(抜粋)

愛知県知多半島5市5町 知多半島春の音楽祭2013
5市5町が集まり住民の力でつくり上げる音楽祭

文:神山典士

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© 大河内 禎

「市民には、行政にはない自由なエネルギーがあります。大切なことは、市民は目的のために責任をもって行動し、行政は市民を信頼して必要な予算や人的サポートをするということです。そのどちらが欠けても協働は成り立ちません。」(抜粋)

イラストSCOPE

地域の伝統文化を学ぶ 沖縄県立芸術大学
地域の文化遺産を生かす「農村舞台アートプロジェクト」

文:奈良部和美/イラスト:田渕周平

「芸能には風土から生まれた思想、世界観、人生観が凝縮されている。芸能を理解することは自分を理解することなのです。」(抜粋)

海外STUDY

カリフォルニア芸術大学 コミュニティー・アーツ・パートナーシップ(CAP)

文:吉田恭子

CAPは当初、カルアーツが3つのコミュニティセンターと提携して行う放課後のプログラムとしてスタートしたが、徐々に規模が拡大。現在では60を超える芸術関係組織、福祉施設、公立学校と提携して、毎年6歳から18歳の青少年約7500人が学内外で学ぶプログラムに発展した。(抜粋)

第33号 つながる力~プラットフォームを考える(2012年度3月発行)