一般社団法人 地域創造

第8号 地域資源の活性化(1999年度3月発行)

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特集 地域資源の活性化

地域資源整理学

空間のエスプリ

体験レッスン

座談会

SCOPE

イラストSCOPE

海外STUDY

資料編

MEDIA

特 集

沖縄県沖縄市/沖縄市民小劇場あしびなー

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 さまざまな辛辣の歴史に翻弄されながらも、全てのものを飲み込んで消化し、独自の文化を築き上げた沖縄。島の人たちは、この地を「遊び島」という。
 沖縄市民小劇場あしびなー。「あしびなー」とは沖縄言葉で「遊びの庭」を指す。この劇場はまさに「遊びの庭」そのものであった。ここにはもしかしたら、古からの劇場の姿、本来あった劇場の原型があるのかもしれない。(抜粋)

北海道日高郡新冠町/レ・コード館

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 個も町の活動の肝は、小さな「・」に隠されている。北海道新冠(にいかっぷ)町に国内だけでなく世界からも滅びつつあるレコードを集めてコレクションしていこうという館が出来たのは1997年のことだった。だがその名を「レコード館」ではなく「レ・コード館」としたことで、館は「レ」=蘇る、「コード」=記憶、心の意味を持った。
 失われつつある、故郷や仲間や地域の息吹の記憶を取り戻し、「コミュニティー再生装置」にしたいと言う思いのあらわれだ。(抜粋)

岐阜県美濃市/美濃・紙の芸術村

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 和紙の温かな手触り、その強さ、しなやかさ。アートを通じて和紙の良さを見直し、その魅力を世界の人々に伝えたい-----。
 日本有数の和紙の産地、岐阜県美濃市では、1997年度から「陰影礼賛」の日本文化を育んできた和紙をテーマに国内外のアーティストに滞在制作してもらうアーティスト・イン・レジデンス事業「美濃・紙の芸術村」への取り組みをスタートした。(抜粋)

熊本県山鹿市/八千代座

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 熊本市からバスで1時間ほど、熊本県山鹿市に重要文化財・八千代座はある。1996年に始まった「100年に10度の大修理」は、2000年が明けて大詰めを迎え、町では「八千代座の今後」をめぐって議論が起きていた。というのも、八千代座は文化財を現代に生かすフィールドとして、全国で起こった芝居小屋復興運動の中心的役割を果たし、全国芝居小屋連絡協議会結成の原動力になってきたからだ。(抜粋)

地域資源整理学
地域資源をプロデュースする

 2月15日~18日に高知県立美術館で開催された「ステージラボ高知セッション」の自主事業コースでは「地域をプロデュースする」をテーマに研修が行われました。今回はその中から地域資源を生かすための新しい視点をご紹介します。
発想を転換する 梅原真さん(デザイナー)
最新技術を応用する 長瀬一男さん(デジタルアートファクトリー・プロデューサー)(抜粋)

空間のエスプリ

ボストンのエジプトづくし文化キャンペーン

文:菅伸子

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 朝は美術館に出かけてエジプト展を鑑賞。午後は科学博物館に足を運んでエジプトの謎を解き明かす大パノラマ映画を見て、そして夜は劇場でエジプトを舞台にしたオペラやバレエの観劇にいそしむ・・・。そんな≪エジプトづくし≫の文化キャンペーンが、昨年秋からボストンで始まっている。名付けて「エジプト・イン・ボストン」。(抜粋)

体験レッスン

公共ホールのアウトリーチ活動を学ぶ

 静岡県韮山町の韮山時代劇場とその近隣で行われた「公共ホール音楽活性化事業」を例に、クラシック音楽のアウトリーチ・プログラムの実際を学びます。(抜粋)

座談会

学校と一緒に出来ること

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 2002年から完全週休2日制実施、新学習指導要綱の中で提唱されている総合学習など、今、学校現場のカリキュラムが大きく変わろうとしています。同じ学校に拠点を置いている公共ホールと学校が子ども達のために一緒に出来ることとは何か?
  学校との連携に興味をお持ちの公共ホールの若手職員の方々にお集まりいただき、取り組みの現状と意欲について語り合っていただきました。(抜粋)

SCOPE

高知県中村市 中村交響楽団と「四万十川国際音楽祭」

四万十の町の音楽文化を支える2つの大きな財産
 最後の曲、シューベルトの「未完成」が終わると、会場の中村市文化センターは大きな、そして温かい拍手に包まれた。オーケストラのメンバーは、全員満足そうな笑顔を浮かべている。
 1999年8月21日、中村交響楽団第67回定期演奏会は大成功のうちに終了し、同時に「四万十川国際音楽祭'99」の幕が開いたのである。(抜粋)

茨城県取手市 「取手リ・サイクリングアートプロジェクト」

大学・市・市民による三位一体のアートプロジェクト
 茨城県取手市で、街の新たなあり方を探ろうとするアートプロジェクトが、1999年12月7日から21日までの15日間開催された。東京芸術大学先端芸術表現科の企画主導による「取手リ・サイクリングアートプロジェクト(以下TAPと省略)」だ。TAPは大学が企画運営に関与した初めてのプロジェクトであり、市民と学生を巻き込んだユニークな試みである。(抜粋)

大阪府大阪市 大阪市立芸術創造館

現場からの盛り上がりを志向するユニークな公立の練習場施設
 薄曇りの初冬の、まだ少し冷たいその中を、生活する人の息づかいが聞こえてきそうな空気に心地よく包まれながら通り抜け、国道を渡り、しばらく行くとほとんど壮麗で巨大な建物が、こう言ってはなんだが、いささか場違いなばかりの威風を払って屹立していた。大阪市立芸術創造館である。
 公立では全国でも数少ない演劇・音楽の「練習場」のための施設として、オープンした芸術創造館は、大小あわせて演劇の稽古場が5室のほか、音楽スタジオが5室あり、その5室のうちには本格的なレコーディングスタジオ仕様のものや、プロ並みのミキシングルーム併設のものまで用意されている。(抜粋)

石川県金沢市 金沢市民芸術村ドラマ工房発信企画「蜃気楼」

24時間365日オープンの画期的な稽古場からの発信
 対象機の建物を再利用したデザイン、24時間365日オープンの運営方法、4つの工房にディレクターを起用したこと。どこを取ってもそれはまさに画期的な稽古場の誕生だった。この後、全国各地に同じ様なコンセプトの稽古場が誕生していることが、この芸術村の取り組みの先進性を表している。(抜粋)

イラストSCOPE

文楽の後継者育成への取り組み(2)[裏方の世界]

 文楽が文楽の香りを失わないためには、舞台を支える裏方の後継者づくりが肝心だ。だが、文楽に限らず、長時間労働や厳しい上下関係が敬遠されて、裏方の後継者難は伝統芸能の積年の課題と言われてきた。(抜粋)

海外STUDY

英国公的機関の芸術援助のあり方

 英国の公的機関による芸術助成のあり方は、政府に大半を頼るヨーロッパ諸国、民間に資金の多くを依存する米国との中間的な立場をとっていることに特徴がある。
 英国の芸術文化は王侯貴族や協会に庇護されたヨーロッパ大陸諸国とは異なり、豊かな新興中産階級にある程度支えられてきたという歴史的背景があるからだ。(抜粋)

資料編

地域の活性化/取手リ・サイクリングアートプロジェクト

 英国の公的機関による芸術助成のあり方は、政府に大半を頼るヨーロッパ諸国、民間に資金の多くを依存する米国との中間的な立場をとっていることに特徴がある。
 英国の芸術文化は王侯貴族や協会に庇護されたヨーロッパ大陸諸国とは異なり、豊かな新興中産階級にある程度支えられてきたという歴史的背景があるからだ。(抜粋)

MEDIA

 「1960年代以前、つまり公的機関からの芸術援助などないに等しく、民間からの助成金だけが大手を振っていた頃は、芸術をめぐる現象なんてものは、ここアメリカにおいては枝葉末節な出来事にすぎなかったし、実際、この国の芸術のことなど、世界の国々の誰もほとんどまったく知らなかった」(98年4月12日付『ニューヨーク・タイムズ』)。(抜粋)

第8号 地域資源の活性化(1999年度3月発行)